代表疾患
下記の症状でお悩みですか?
まずご相談いただくのが解決への糸口です。
当院でどのような治療ができるかは、診察時にご相談ください。
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寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚める
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気分が落ち込んで何もする気が起きず、元気がなくなった
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突然の動悸や息苦しさを感じるのに、体の異常はないと言われた
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気分の波が大きくなり、感情が抑えにくくなった
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物忘れ(ものわすれ)が増えた気がする
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鍵を閉めたか、火を消したか不安で何度も確認してしまう
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会社に行けなくなったり、家事ができなくなった
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気が散ったり、ミスが目立つようになった
代表的疾患について
ここでは代表的なこころの病、不眠症やうつ病、パニック障害、発達障害、社交不安障害、強迫性障害、適応障害、月経前症候群といった疾患や精神的ストレスに伴う動悸・呼吸苦・頭痛・めまい・吐き気・震え・発汗などの身体症状について解説します。
みなさまのこころの健康回復のお役に立てれば幸いです。
代表的疾患一覧
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- うつ病
- 抑うつ気分・意欲低下・集中力困難・不眠・食欲低下などが持続的に2週間以上続き、社会生活上、困難をきたしてしまう疾患です。重度になると自殺を考えるほどになるため、早期に治療が必要です。
治療としては、疲弊した脳に刺激を与えない状態、つまり「安静休養」と、脳の自己回復を助けるため「薬物治療」が基本となります。ただ、軽症の場合には休養だけ、あるいは薬物療法だけで経過を見ることもあります。
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- 不眠症
- 不眠症でもっとも多いのは、神経症性不眠というものです。不眠の結果、日中の作業能率が悪い、集中できない、眠気が続くなどの精神症状や頭痛や眩暈(めまい)などの身体症状を呈します。
治療としては、睡眠衛生についての指導や薬物療法、認知行動療法などがあります。
神経症性不眠症に対する認知行動療法としては、刺激制御療法、睡眠制限療法、自律訓練療法などがあります。
そのほか、夜間に無呼吸状態を繰り返して、寝た気がしない、寝ても昼間ぼーっとするといった症状が出る睡眠時無呼吸症候群が不眠の背景にあることもあります。当院では、自宅で出来る睡眠時無呼吸検査も行っておりますので、ご希望の方はお申し出ください。
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- パニック障害
- 強い恐怖感とともに、動悸・呼吸困難・発汗などの体の症状が、急激に出現するパニック発作を繰り返すため、発作以外の時間も「また発作が起きるのではないか」という予期不安にさいなまれ、行動範囲が狭まり、社会生活に困難を来たす状態です。
治療としては、①パニック発作のコントロール、②恐怖に駆られての回避行動の抑止、さらに踏み込めば、③不安への陥りやすさ(脆弱性)の軽減を目標にします。これらを達成するために、SSRIや抗不安薬などの薬物療法を用いることが有効な場合が多いのですが、パニック障害に対する心理教育、暴露療法、認知行動療法なども同時に、有効であることが知られています。
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- 発達障害
- 生まれつき脳機能の発達がアンバランスなことが原因であり、病気の脳ではありません。
自閉症スペクトラム障害(自閉症・アスペルガー症候群など)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、発達性協調運動障害などがあります。
本人が自身の特性を理解し、周囲のサポートを受けることで自信が持て、社会参加しやすくなります。又、投薬治療で症状が改善することもあり、二次障害としてのうつ病なども防ぐことができます。
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- 社交不安障害
- 対人や社交の場面(外食・会議・人前で字を書くなど)で「恥ずかしい思いをするんじゃないか」と考えるあまり、強い恐怖や不安を感じてしまう病気です。脳の扁桃体という部分が関与していることが知られています。
体の症状として「赤面する」「手足や声の震え」「動悸・発汗」などが出てしまうため、それらを周りに知られることを過剰に意識してしまい、その結果、余計に症状が悪化するという悪循環におちいります。
この悪循環を断ち切るため、SSRIというセロトニン神経を調整する薬剤を用いることが多く、臨時的にそのときだけ抗不安薬を服用することで十分なこともあります。
暴露療法、ソーシャルスキルトレーニング、不安対処訓練などの認知行動療法なども有効とされています。
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- 強迫性障害
- 強迫観念と強迫行為によって、日常生活に支障を来たす病態です。強迫観念とは、「頭の中に強制的にある考えやイメージが繰り返し浮かんで、自分ではそれがぬぐえない状態」のことで、強迫行為は、そのような強迫観念に基づいて、繰り返し行動をとってしまう状態のことです。典型的には、「何度も手を洗う」「鍵やスイッチ、蛇口、火の元などを何度も確認する」「運転中、轢いてしまったかと引き返して確認する」などです。
治療の第一選択は薬物療法になります。これで半数以上の方は改善します。薬効が乏しい場合には、心理療法との組み合わせが有効な場合もあります。
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- 適応障害
- うつ病などとは異なり、あくまで、ストレス因子が消滅すれば、症状も軽快することが期待できる状態です。環境と個人との間で精神的にしっくりかみ合わないことが原因としてあるわけですから、基本的には環境を変えるか、個人が変わるかしかありません。
抑うつや不安に対する薬物治療も大事ですが、休職や職務の変更などの環境調整を図ることや、状況にうまく順応していくこと、あるいは、長期的にはストレスに強くなるメンタルトレーニングを実践していくことがより大事になるでしょう。
カウンセリングの中で、環境調整や、ストレス対処能力の向上やコミュニケーションスキルアップを図ったりするのもよいと思われます。
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- 月経前症候群
- 月経の始まる10日~数日前から、気分が落ち込む、イライラ、不安、ナイーブさ、過眠、過食などの精神症状や、頭痛、腰痛、むくみ、便秘、吐き気などの身体症状に悩まされる病態です。
治療としては、漢方薬や抗不安薬、避妊用の低用量ピル、SSRIなどを用いて、症状を緩和していきます。性機能の成長や、妊娠出産によって、症候群が出現したり消失したりし、閉経後は起こらなくなります。
また、日常生活の中で抱えている不満や心配事は、普段、頭の片隅にあったものが、生理前には、それらがいきなり大きなものとしてのしかかってくるということもあります。そのため、心理カウンセリングなどで普段の不満や心配事を整理し、こころの対処をしていくことも有効でしょう。
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- 摂食障害
- 摂食障害は、食事をほとんど摂らなかったり食べても吐いてしまったりして体重が減ってしまう神経性やせ症と、むちゃ食いしては体重増加を防ぐために吐いたり下剤を使ったりする神経性大食症が有名です。
ご本人の治療意欲がなかったり、「本人の意思の問題だ」とみなしたり、治療に結びつかないケースが多いのが現状ですが、身体への影響が大きく、低栄養や抑うつから死に至ることもある、重大な疾患です。
低体重や過食による悪循環に陥っている可能性が高く、また、様々なストレスが原因となっているケースが多く、食行動の正常化のみで問題が解決するとは限らないため、周囲の人の理解やサポートがとても大切です。
当クリニックでは、疾患について学び、ストレスとの付き合い方を模索しながら、症状の改善を図ります。
体重が満たない場合は、入院施設のある病院での治療が望ましいでしょう。